内痔核の症状改善が期待できる治療です
ジオン注射は、内痔核に直接注射することで、脱出や出血などの症状を改善する薬剤です。効果に持続性があり、根治が期待できる治療法として知られています。内痔核分類では、1度から3度前半までであれば根治性が期待でき、3度後半から4度では症状の緩和が期待できます。ジオンを内痔核へ5〜20cc注入し、注入直後から効果が認められるのも特徴です。なお、成分名からALTAとも呼ばれ、商品名は「ジオン注®」です。
どのように注射するのでしょうか
ジオン注射では、ひとつの痔核に4か所に分けて薬剤を注入する「4ヶ所注射法」を行います。専門性の高い治療であるため、内痔核治療法研究会の認定を受けた医師のみが施行できます。当院では、担当医師全員がこの資格を有しており、年間1,000件以上の治療実績があります。症状や痔核の状態を見極めながら、適切な方法で治療を進めています。
ジオン注射の起源
ジオン注射のもとになったのは、中国の史兆岐教授らが1971年に開発した「消痔霊」という薬剤です。1979年に日本へ紹介され、その効果が高く評価されました。その後、日本で治験などが行われ、2005年に添加剤の一部を改良したものが「ジオン注®」として発売されています。
ジオン注射のメリット
ジオン注射には、次のようなメリットがあります。
・従来なら手術適応であった内痔核を治療できる
・痛みや出血がほとんどない
・抗凝固薬や抗血栓薬を服用中の患者さんでも、休薬せず治療できる
・手術治療と併用できる
・効果に比べ副作用が極めて少ない
・健康保険が適用される
・日帰りで治療を受けられる
切除を伴う治療に比べて負担が少なく、日帰りで受けやすい点は、大きな魅力といえるでしょう。
ジオン注射のデメリット
一方で、注意しておきたい点もあります。
・進行した内痔核には十分な効果が出にくい
・発熱、肛門の違和感、排便しにくさなどの副作用が一時的に出ることがある
・比較的新しい治療法のため、20年、30年単位の長期成績データがない
・肛門管内外痔核には効果が少ない
・外痔核には使用できない
メリットだけでなく、適応や限界も理解したうえで治療を選ぶことが大切です。
ジオン注射を受けられない患者さんは?
次のような場合は、ジオン注射を受けることができません。
・妊娠中
・授乳中
・妊娠の可能性がある
・小児
・前立腺がんで放射線治療の既往がある
・潰瘍性大腸炎
・透析治療中
・嵌頓痔核
・外痔核
・全身状態が不良
治療の流れ
初診では、オンライン、LINE、電話で予約を受け付けています。来院後は問診票を記入し、医師の診察を受けていただきます。手術を希望される患者さんには、術前検査を行います。手術は、午前なら8時来院で、準備、手術、安静のあと、12時前後に帰宅となります。午後の手術は12時30分来院で、16時前後の帰宅です。術後の通院は、翌日、1週間後、3週間後、7週間後が目安となります。
費用について
ジオン注射は健康保険内で受けられる治療です。3割負担の患者さんの場合、自己負担額は3万円から4万円が目安です。
内痔核でお悩みの方はご相談ください
ジオン注射は、内痔核に対して症状改善や根治が期待できる治療法であり、痛みや出血が少なく、日帰りで受けられる点も特徴です。ただし、すべての痔に使えるわけではなく、進行度や状態によって向き不向きがあります。内痔核の脱出や出血でお悩みの患者さんは、まずは一度ご相談ください。