尖圭コンジローマは、男性器の周囲に数mm〜数cmほどの、カリフラワーやニワトリのトサカに似た特徴的なイボができる性感染症です。「尖圭(せんけい)」という言葉には「先が尖っている」という意味があり、この病気で見られるイボの形状を表しています。
感染の機会から数週間〜数ヶ月という長い潜伏期間を経て発症しますが、痛みや痒みなどの自覚症状に乏しいため、放置してしまう方も少なくありません。その結果、症状が広がってから受診されるケースが多く見受けられます。
原因となるウイルス自体は、発がん性の低いタイプですが、リスクの高い悪性ウイルスと同時に感染している場合、将来的に陰茎がんを招く恐れもあります。
男性の尖圭コンジローマの症状
男性の場合は、女性に比べて患部が目に見えやすいため、比較的早い段階で異変に気づけるのが特徴です。
症状が現れやすい場所
特徴的なイボは、主に以下の部位を中心に発生し、放置すると徐々に範囲を広げていきます。
亀頭、冠状溝(亀頭の付け根)、包皮、尿道口
肛門の周り、直腸の内部
口の周りや口の中
イボの見た目と手触り
初期の段階では1〜3mm程度のサイズで、触れるとザラザラとした感触があります。成長するにつれて、カリフラワー状やニワトリのトサカ状といった、一目でそれと分かる独特な形へと変化します。色は白やピンク、褐色、あるいは黒ずんだ色など様々です。
感染経路と原因について
尖圭コンジローマは、セックスやオーラルセックス、アナルセックスといった、あらゆる性行為を介して感染します。また、非常に稀ではありますが、ウイルスが付着した指や器具などを経由した接触感染の可能性もあるため、注意を怠らないようにしましょう。
原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)
この病気の原因は、HPV 6型および11型というウイルスです。HPVには100種類以上の型が存在し、大きく「低リスク型」と「高リスク型」に分けられますが、コンジローマは発がん性の低い「低リスク型」による良性のイボとされています。
基本的には性行為が原因であり、日常生活で他の方や物に触れることで感染する心配はほとんどありません。
放置することのリスク
尖圭コンジローマは20〜30%の確率で自然に消えることもありますが、残りの70〜80%は治療をしない限り、イボの範囲が広がり、サイズも大きくなってしまいます。
潜伏期間と検査の方法
潜伏期間
感染してから症状が出るまでには、数週間から数ヶ月(平均2.8ヶ月)の潜伏期間が必要とされています。
検査について
男性の場合は「視診」が基本です。イボの形状を医師が確認することで診断を下します。悪性腫瘍との見分けが必要な場合には、組織を調べる病理検査を行うこともあります。
検体から直接ウイルスを検出する検査もありますが、感染していても発症しないケースが多いため、当院では視診による早期診断を重視しています。
治療方法とお薬
主な治療法には、以下の選択肢があります。
塗り薬(イミキモドクリーム/ベセルナクリーム)
物理的治療: 液体窒素で凍らせる凍結療法や、電気メスで焼き切る電気焼灼法。
コンジローマの薬は市販されておらず、医師による処方が必須です。
治療中のルールと予防
性行為の禁止: 治療中に性交渉を行うと、相手にウイルスを移してしまいます。症状が完全に消えるまでは、性行為は控えてましょう。
予防のポイント
コンドームのみで完全に防ぐことは難しいため、最も有効なのはHPVワクチンの接種です。性経験の有無
にかかわらず予防効果が期待できることが、近年の研究で明らかになっています。

